eGFRとeGFR(初心者向き)
題名みたら、なんじゃこりゃだろう。
正確に言うならば、「体表面積補正eGFR(mL/min/1.73m2)と体表面積未補正eGFR(mL/min)」である。
間違い探しをしているような気分である。
実際、書籍によってはこの微妙な違いとなる単位(mL/min/1.73m2あるいはmL/min)が書かれていないから、ややこしい。
日本腎臓学会や日本腎臓薬物療法学会が提唱しているこのeGFR。腎機能評価として、広く認知されてきているがちょっと落とし穴がある。
大抵検査値で記載されてきているのが、体表面積補正eGFR(mL/min/1.73m2)であるということだ。「体表面積1.73m2なら、このくらいの腎機能だよー。」と、いうことらしい。
じゃあ、1.73m2って、どれくらいかというと、
160cm、70kg
170cm、60kgちょっと
誰だ、、、こんな体格の良い人は?
そんな患者なかなか見つからないぞ。
ちなみに、日本人の体表面積は男性1.68m2、女性1.53m2くらいらしい。
https://unit.aist.go.jp/riss/crm/exposurefactors/documents/factor/body/body_surface.pdf
なので、そのまま体表面積補正のeGFRを使うと、当然マズイことになる。
大抵の患者は体表面積1.73m2より小さい。
体表面積が小さい(体格が小さい)
↓
筋肉も少ない
↓
血清クレアチンのもとは筋肉の分解物だから、血清クレアチンも低い
これを1.73m2の体格に置き換えちゃうと
「この血清クレアチンが低いのは腎機能が良いからだ。」と考えて
eGFRが良くなってしまう。
何のために、腎機能チェックしているのか、、、悩むことに。
なので、せめて小柄な方は体重と身長を聞かないと。教えてくれない場合、わからない場合は標準的な体表面積を当てはめるしかない。
ちなみに体表面積は下記で調べることが出来る
http://www.jcog.jp/doctor/tool/calc.html
また、身長、体重、年齢、性別、クレアチンを入れたら、クレアチンクリアランスからeGFR
まで出してくれるサイトも。
格言:小柄な患者のeGFRに要注意